08/04/28 17:14:56 RFKKvKPv0
それは、ダーウィン主義の下では精神的に価値のあるものがことごとく踏みに
じられてしまうからです。ダーウィン主義者たちは、人間は高度な有機体を備え
た動物に過ぎない、と唱えます。ダーウィン主義が浸透するようになると、次第
に人間は自らの中に潜んでいる動物的な欲望やエゴイズムを肯定し、道徳的な
ものに価値を見出さなくなるのです。
シュタイナーの主著のひとつである『自由の哲学』によれば、、道徳とは、道徳
とは精神的世界に客観的に存在する法則性を意味します。道徳とは外から人
間を縛るものではなく、一人一人の人間が自由意志を元に精神的な世界から
取り出してくることが可能な、客観的宇宙の法則なのです。
ところが、ダーウィン主義者たちは、目に見えないものや数量化できないもの
はことごとく否定します。ダーウィン主義の立場にたつ人たちにとって、道徳と
は国家や権力者が一方的に押し付けてくるものであり、客観的妥当性などな
い、ということになるのです。ダーウィン主義を徹底して押しすすめると、人間
は確実に荒廃していきます。人々はお互いのエゴイズムのみを主張するように
なり、共通の目的のためにお互いに協力し合うことはなくなってしまいます。
ダーウィン主義を突き詰めると、結局は「人間は動物と同じなんだ。この世はす
べて食うか食われるかだ」という世界観に行き着くことになります。ダーウィン
主義が広まれば広まるほど、おのずと人間同士の間に争いごとが生じやすく
なるのです。
ダーウィン主義に代表される唯物論的な思考方法が浸透するとともに、人間は
霊的なものに対する畏敬の念を少しずつ失っていきます。知らず知らずのう
ちに人間の内面は荒れ果て、人々は他者に対する友愛の気持ちをなくしてい
きます。そこにソラトにつけ込まれる隙ができるわけです。