09/05/24 05:31:26 GpKPorjX0
福山のシングル・リリースで注目すべき点は、デビュー以来、年間リリース枚数がどんなに多くても2枚ということだ。
これは彼が納得のいく音楽ができるまで妥協を許さないことの裏返しとも言えるだろう。
彼の作品はそのキャッチーな曲調もあってCMやテレビ番組などで使われるケースが多い。
しかし、その音楽的スタンスを見ていると、曲をブラッシュアップすることなく、タイアップだけに頼り切った
“安易な作品”が氾濫していることに苦言を投じているようにさえ感じてしまう。
ユーザーには、新曲をリリースするごとに、音楽を作っていく上での葛藤に苦しみながらもそれを乗り越え
成長を確かめるかのように世に送り出し自分を試している彼の姿が、タイアップの向こう側にしっかりと写し出されているのだろう。
だからこそ、人々は彼の音楽を信じ、惹きつけられ続けるのだ。そのスタンスは、J-POPのルーツである
フォーク、ニューミュージック時代に輝いていたアーティストたちのそれともよく似ている。
だが、福山は決して、彼らの真似をしている訳ではない。福山の音楽に対する信念が彼らによく似ているのである。
(文:田井裕規)