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サッカーJリーグでは08年オフから今季にかけ、最近5年間で最多となる162選手が所属クラブの登録を抹消された。
選手の引退後の進路支援などを行うJリーグキャリアサポートセンターは「経済情勢の悪化や新設されたアジア枠の影響もあった」
と分析する。引退後の進路として大学進学を選ぶケースが増え、今年初めて2けたに達した。
今春から明海大経済学部(千葉県浦安市)に通う岩田正太さん(21)は07年から2年間、J2草津でFWとしてプレーした。
千葉・東京学館高時代は全国大会の経験はなかったが、草津の実技テストを受け、入団した。
1年目はリーグ戦1試合に出場し、2年目は故障に苦しみ出場はなし。オフに契約を更新しないと通告された。
就職などの当てもなく社会人として「何も通用しない」と途方に暮れる中、周囲の勧めでJリーグのトライアウトに参加。
それが明海大スタッフの目に留まり、面接と実技による入試を経て進学の道が開けた。
明海大は、CSCを通じてトライアウト見学を申し入れていた。
市原(現千葉)でプロ経験のある明海大サッカー部の八津川義広監督(30)は「選手のセカンドキャリアは大事。
他のチームに移れる選手は限られている」と、自身と似た境遇の岩田さんを誘った理由を話す。
高評価を得て高卒後にプロ入りしても出場機会に恵まれず、伸び悩む選手は多い。
4年後、大学を経てプロに入った選手と評価が逆転する例も少なくない。20歳前後の試合経験の少なさが「逆転現象」の理由で、
日本サッカー協会、Jリーグとも改善へ知恵を絞っているのが現状だ。岩田さんは「もう一回、上(プロ)でやってみたい。
それが無理でもサッカーにかかわる仕事をしたい。大学を卒業すれば無駄にならない」。こうした例は、今後も増えそうだ。
09年のJリーグ登録選手数は1059人(2月2日現在)。CSCによると、このオフに登録を抹消された162選手のうち、
67人が日本フットボールリーグ(JFL)や地域リーグへ移籍。そのほかはJクラブへの就職28人、就学11人など。
CSCでは法大、吉備国際大、高松大と協定を締結し、指定校推薦のような形で入学にJリーガー枠を設ける例もある。
引退年齢は平均26歳前後。