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■「くさいものにふた」をしたJリーグと甲府
今回のケースでは、多分当事者が、「覚えていない」発言したように、意識して行われたものではなく、さらに悪意があるわけではないのだから、
「差別問題」と違い、不問にするというのが「妥当」だろうという結論に達したのは簡単に理解できる。
しかし、この解決法はまったく意味がない。「差別」というのが複雑で簡単に解決できないのは、受けた側にとって大きな問題であっても、
起こした側にはさほど問題意識がないことが多いからだ。起こした側のほとんどが、それが差別につながるとは思わなかったという意識があるから、
問題を指摘されても、当事者もしくは加害者としての意識を持てないのだ。
今回の場合でも、仮にやったとしても、からかい半分の気軽な気持ちだったのだろう。小学生がちょっと気に食わない相手をからかった程度の
意識かもしれない。本人は差別意識は毛頭ないと心底思っているので、調査委員会程度の軽い事情聴取では、問題はあぶりだせないのだ。
これは「くさいものにふた」をした解決法といえる。ある種の言動が差別につながるものだということを徹底的に意識させないと、問題解決には
つながらないからだ。本人が意識的に行ったものではない以上、問題にするのは、逆に問題だろうという態度で「なかったことにしよう」と
いうのはまさに「くさいものにふた」なのだ。
Jリーグと甲府の取った態度はまさにこれに値する。クラブが選手を守るのは当たり前だし、前述した声明を出すのも分かるが、「差別問題」では
残念ながら間違っている。選手を信ずるにしても、「やっていないが、疑われるようなことがあったのは残念なので、今後このようなことがないように
努力する」と言うべきなのだ。
Jリーグも同様に、「事実は確認できないので、処罰はできないが、差別問題では疑わしきは罰せよというくらいの気持ちがないと差別は根絶できない。
だから、これからはよく考えてほしい」というくらいは言うべきなのだ。