09/07/27 12:07:31 ZgDfZk4S0
【1999年読売新聞投書欄より抜粋】
ある日早朝の公園でミニチュアダックスを散歩させていたら
黒と鼠色のブチのお世辞でも綺麗とは言えない雑種の犬がこちらに猛然とダッシュし
てきた、
私は危険を感じたのでミニチュアダックスを抱き上げた、
その雑種の顔を見るととても穏やかで尻尾をふってこちらを見ている、
どうやら遊びたかっただけのようだ、ちょっと安心したのも束の間遠くの方から
「オーイ!カポネ!だめじゃないか!」と大声で怒鳴りながらトレーニングウェアで
こちらに走ってくる人物が、
よくみるとカズこと三浦和良じゃないか、カズは「どうもすみませんリードを振り
払って走っていってしまったもので」
と恐縮しきりだったので「いいですよ、でもこの犬はカズさんの犬じゃないですよ
ね?どなたの犬ですか?」
と聞いてみた、なぜなら雑種の日本犬だったからだ、するとカズは笑顔でさらりとこ
う答えた「僕の犬です、カポネ、5歳のオスです」
私は失礼だとは思ったが思わず一言言ってしまった「えーカズさんが雑種飼ってるな
んて信じられない」
するとカズは大笑いしながらこう答えた
「みんな同じこと言いますね、そう、ただの雑種です、保健所から貰ってきました、
僕にはそこにいたすべての捨て犬を家族にはできないけど」
そしてリードを手に取ると「どうもすいませんでした、カポネいくぞ!」
と言って走って行ってしまいました、カズさんとカポネが去ったあとほんのり春の風
が吹いていました。
そう、人一人が出来ることは限られますが、大勢の人がカズさんのような人だったら
もっと穏やかな世の中になるのかもしれませんね。
49才 港区 主婦