09/07/15 01:05:41 0
(>>1の続き)
「漱石という存在はすでに我が国の共有文化財産であり、その利用に遺族や特定の者が権利を主張し、
介入すべきではない」というのが私の理念だからです。また、純一所有であった漱石遺品などは純一死後、
母と同意の上そのすべてを神奈川近代文学館に寄贈しております。この考え方にいたった経緯に関しましては、
拙著『孫が読む漱石』(新潮文庫)該当部分引用[註1]をご参照ください。
上の理念にしたがい、私はこの「夏目漱石財団」に対して反対の立場を取ります。私以外の遺族に関しましても、
ほとんどが財団設立とは無関係であり、私同様反対の立場であることも申し添えたいと思います。
また、この財団が事情を知らない人々への許諾や権利主張によって既成事実化し混乱をもたらすことを恐れます。
この件につきまして、できるだけ早く公表周知すべきだと判断し、今回のお知らせとなりました。
みなさまには本件につき、良識的な判断をとっていただくようお願い申し上げます。
(中略)
なお、本件に関するより詳細な資料を必要とされる方は私までご連絡ください。
以上の文書の一部と経緯に関しましては、随時私の個人的なブログにおいても公表してゆくつもりです。
URLリンク(blogs.itmedia.co.jp) 夏目房之介の「で?」
とりいそぎのお知らせで、読みづらいところもあるかと存じます。ご容赦ください。
2009年7月12日 夏目房之介
[註1]
〈漱石のような存在については、社会に広く共有された文化として、享受とのバランスで
権利の範囲を考えるべきだというのが、僕の現在の考えである。映画化や演劇化など
とっくに切れた著作権にかかわる翻案やパロディなどはもちろん、著作利用やCMへの
肖像利用についても、僕は基本的に何もいわない。報酬も要求しない。むしろ、そうする
ことが漱石という文化的存在を将来にわたって維持し、享受や批判をさかんにして再創造
につなげてゆく方向だろうと思っている。〉夏目房之介『孫が読む漱石』新潮文庫 40p)
■財団法人夏目漱石 (注:音が出ます)
URLリンク(www.soseki-natsume.org)
■「夏目漱石」財団法人設立 親族同士で意見対立 J-CASTニュース
URLリンク(www.j-cast.com)