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小林多喜二の小説を映画化した「蟹工船」が公開中だ。昭和初期のプロレタリア文学の
代表作を、現代風に映像化したSABU監督に聞いた。
■嘆くより行動起こそう
小説では、オホーツク海の船上で過酷な労働を強いられた労働者たちが、団結して
立ち上がるまでが描かれた。映画でも、新庄(松田龍平)が仲間とともに、理不尽な暴力を
ふるう監督(西島秀俊)に立ち向かう場面がクライマックス。「考えることをやめたらおしまいで、
行動を起こすことはそれほど難しいことではないはず」という、SABU監督のメッセージが
伝わってくる。
「僕たちは心のどこかで誰かがやってくれると思っていた。でも、それじゃあ何も変わら
ないんだ」というセリフがある。念頭にあったのは、格差社会にもまれ、希望を見いだせない
現代の若者。「嘆いているばかりだったら、行動した方がいい」との願いを込めた。
■可能性の芽 自分でつぶさず
「何もしないで偉そうにものをいう人間に対して、俺自身が直球で言いたかったことでもある。
可能性はいくらでもあるのに、『頑張りすぎると、明日は倒れるかも』と考えたり、面倒くさくて
やらなかったり、その芽を自分でつぶしていないだろうか」
そんな思いを若い観客に伝えやすくするため、大胆に脚色した。時代設定を明確にしなかった
のは、「労働者の悲惨さを強調して、『昔は大変だったんだ』で済ませるつもりはなかった。
普遍的なテーマを盛り込んだエンターテインメントとして、しっかり見せたかった」からだ。
(>>2に続く)
画像:厳しい労働を強いられた雑夫ら(右から高良健吾、柄本時生)は、
過酷な状況を変えようと立ち上がる
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
ソース:読売新聞(2009年7月10日(近藤孝))
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
映画「蟹工船」公式サイト URLリンク(kanikosen.jp)