09/07/11 12:52:31 0
ああ、あと1人…。日本ハム多田野数人投手(29)が、大記録を寸前で逃した。
9回2死まで許したのは4四球の無安打無得点投球。あと1人でロッテ大松に右前打を許し、
06年の中日山本昌以来3年ぶりの快挙達成はならなかった。
不振から2軍で調整し、この日1軍に昇格したばかり。いきなり、ロッテ打線を1安打に抑え、
プロ初完投を完封で飾った。チームの連敗を5で止め、再び首位ソフトバンク追撃へ
勢いをもたらす、大きな1勝だった。
悲鳴、ため息、苦笑がドーム内で入り交じった。118球目。多田野が投じたフォークボールを、
大松がはじき返した。きれいなライナーが右前で弾んだ。電光掲示板のロッテのH欄が、
9回2死で初めて作動した。大記録を期待する拍手に包まれ9回のマウンドに行ったが、あと1人だった。
それでも周囲のどよめきに顔色ひとつ変えず、最後の打者サブローを1球で打ち取った。
プロ初完投初完封。「それまで四球を出していたし、安打も四球も一緒。ゼロで抑えられたのはうれしい」。
無安打無得点より「9回投げるのが目標だったけど、なかなかできなかったので」と、
立大時代以来の完投を素直に喜んだ。
「フォークで組み立てたのであれを打たれたら仕方ない。腕を強く振れたのがいい結果につながった」。
終盤、右足がつりながらもマウンドを守り切った。梨田監督は「走者が出たら落ち着きがなくなるところがあったが、
冷静でいられたね。無安打? やってほしいと思ってみてたよ」とほほえんだ。
試合前、金子誠から「チームは5連敗しているけど、お前には悪い流れはない」と背を押された。
「今日、結果を残さないと次のチャンスもどうかな」と思いながらマウンドに上がった。
メジャー経由の日本球界2年目。沖縄・名護キャンプ中、休日に1人で長距離バスに乗り
日帰り旅行に出て、首里城で老夫婦に声を掛けられた。知名度上昇の中、2軍降格の際、吉井投手コーチに
「もっと格好良くやろうよ」の言葉をもらい、再調整してきた。無安打無得点試合は「(八千代松陰)高校2年の
練習試合であるけど、縁がない記録です」と笑ったが、ファンの目には格好良く映ったに違いない。
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