09/05/10 11:51:33 NwptubtF0
「余命1ヵ月の花嫁」カメラを担当して
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翌4月5日が模擬結婚式でした。
家族や友人たちがかなえてあげた千恵さんの夢。そのウエディングドレス姿を、私は
カメラマンとして唯々奇麗に美しく撮ってあげようという気持ちだけで撮影に臨みました。
最後まで自由に撮影させてもらいました。
千恵さんと太郎さん(千恵さんの大切な方)の笑顔からは「余命一ヶ月」「末期がん」と
いう現実は微塵も感じ取れませんでした。ところがカメラを反対側に振ると、列席して
いるお父さん、親戚、友人たちの姿が否応なしに飛び込んできます。その表情、涙もまた
紛れも無い現実でした。冷静に撮影しなければいけない立場なんですが、私自身何度も
こらえ切れなくなり、ずっとファインダーを曇らせての撮影になりました。これ程悲しく、
感動的な結婚式を撮影する機会もそうは無いのではないかと思いました。
その後、千恵さんの状態は悪くなる一方で、病室内の映像は全て家族、友人たちの映像
となりました。そして連休明けの5月はじめ、千恵さんは他界されました。
夕方のニュース番組での放送が評判になり、2時間枠の特別番組となった訳ですが、
特別番組の為にご家族友人の方のインタビューを追加取材しました。別チームの撮った
再現シーンも番組に織り込まれました。しかし、番組の根幹となる部分の映像は、
これまでお話したとおり、たった二日間の撮影分でしかなかったのです。特別番組では
その二日間、ある意味集中して、思いきって撮影した素材の殆んどを使って頂いた形に
なりました。