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お家騒動に端を発し、本拠地移転説まで降ってわいたロッテ。
球団側は断固否定するが、地元自治体との関係がぎくしゃくしているのもまた事実だ。
具体的な移転先も取りざたされるが、球界再編問題の際に起きた
「福岡ロッテホークス」構想と同じように、移転話が“交渉カード”として利用される可能性もある。
先月下旬に勃発したロッテの怪文書騒動。マスコミ各社に送られた「社長ミーティング議事録」なる文書には、
球団幹部が千葉からの本拠地移転に言及した内容が記されていたが、
球団側は急遽会見を開いて完全否定。重光昭夫オーナー代行(54)は
「千葉に愛着を持っている。結構なお金を投資し、今まさに球場近くに
室内練習場を建てようというとき。根付くことはこれからも変わりない」と移転話を一蹴した。
ただし、その室内練習場を巡り、ロッテと地元自治体との間に摩擦が生じている。
現行施設は千葉マリンスタジアムから遠く、選手から球場近くに新施設の建設を求める声が
高まっていた。球団側は1月、総工費約2億円をかけて開幕前に竣工させる意向を示したが、
土地を所有する千葉県などとの折衝が難航、計画自体が頓挫しつつある。
いかなる思惑を持った勢力が、今回の移転話を広めたいのかは不明だ。
ただ、球団にとって移転をちらつかせることは、行政側との交渉で有効なカードともなりえる。
前回の“神風”は福岡発だったが、今回はどこから吹きこもうとしているのか。
水面下でささやかれるのが、東京ドームだ。同球場は1988年の開場から2003年まで、
巨人と日本ハムの本拠地として高い稼働率を誇ったが、04年に日本ハムが札幌に移転。
もしロッテが東京ドームで試合をしてくれれば、運営会社には渡りに船というわけだ。
都内にパ・リーグの球団がない現在、日本ハム・ダルビッシュや楽天・田中といった
スターを都心で見る機会は交流戦などに限られており、営業面でも勝算が立つ。
関係者によれば、梅雨時などを中心に20試合程度の主催試合を行う案も
検討されているという。移転説は根も葉もないうわさか、単なる交渉カードか、それとも…。
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