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「100年に1度」の経済危機の中、28日から世界卓球選手権個人戦が横浜で開幕する。
企業の撤退が相次ぐなど、スポーツにも強い逆風が吹く中で行われる大会の舞台裏をのぞいた。
◇HISの狙い
非常事態だった。開幕まで半年を切っても、「タイトルスポンサー」が決まらなかった。
大会組織委員会幹部らの懸命な企業回りの結果、ようやく1月に大手旅行会社「エイチ・アイ・エス」
(HIS)と決まった。
HISがスポーツイベントのスポンサーとなるのは初めてだ。成長企業だけに、これまでも各競技団体から
ユニホームのロゴなどさまざまな話があったが、すべて断っていた。同社の福島研営業戦略室長は、
昨年末に組織委から受けた要請も「一度お断りした」と打ち明ける。しかし、年明けに再び要請され、
社内で検討を重ねて、ようやく受諾した。ポイントは、世界市場との関係。海外拠点の増加を目指す
同社にとって、卓球人気の高い中国や欧州などでテレビ放映される同大会は有益だと判断した。
大会中はコートに日、中、韓、英4カ国語で交互に社名などを映し出す看板を設置するほか、
海外からの観戦ツアーも計画。世界的な知名度アップを狙う。
企業がスポーツのスポンサーを務めることについて、福島室長は「企業の権威を示すものに
なりつつあった」と見る。従来は社会的責任(CSR)活動やイメージ戦略の意味合いが強かったが、
「一視聴者として(大会を)見た時、その企業のイメージが変わることがなかった」と指摘し、
同社と今回の世界卓球の関係を「グローバル戦略の一環のテストケース」と強調する。
深刻な経済危機の中、企業とスポーツイベントのあり方として、注目される。(了)
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