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(つづき)
真の国際大会のあり方を徹底的に議論すべき
「将来的に日本も資金を出し、共催のかたちを考えなければならない」というNPB・加藤良三コミッショナー
の談話が3月25日付朝日新聞に載った。WBCの継続を前提にしてNPBもMLBと対等の立場に立つ、
という発想は、日米関係しか頭にない加藤氏の視野の狭さ象徴しているといえよう。
野球は、2008年北京オリンピックを最後に競技種目から除外された。5大陸での普及度からみて野球が
除外されるのは当然であろう。ただ、IOC(国際オリンピック委員会)は、普及度ばかりでなく、大リーグが
最有力の選手で構成したドリームチームを出場させないことも除外の理由に上げている。
つまり、そのようなドリームチームが出場しなければ見せ物として面白くなく、関心を集めない、というのだ。
国際野球連盟は、オリンピックへの復活を目指して活動しているものの、その鍵を握るMLBの消極的
姿勢によって苦戦を強いられている。MLBは、野球のヘゲモニーに固執してオリンピックに対抗しており、
容易にはIOCと妥協しないであろう。
国際野球連盟は、オリンピックにこだわるだけでなく、自ら主催している世界選手権の充実をはじめ、
5大陸での普及のために加盟国の知恵を結集すべきであろう。
野球のプロ化は、世界的にある程度進むかもしれないが、限界があることも間違いない。国際野球
連盟が知恵を集めなければならないのは、「見るスポーツ」としてではなく、「doスポーツ」として野球を
一般の人たちに普及させるにはどうすればいいか、ということである。
WBCでは、そうした野球の普及には繋がらない。というより、むしろ阻害要因にさえなるといえよう。
とにかく、MLBの単独行動主義によるWBCを止めさせ、国際野球連盟加盟組織をはじめ、MLB、NPB
なども含めて国際的に協議する場をつくり、どのような大会が望ましいかを徹底的に議論すべきではない
だろうか。
(おわり)