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■「走り抜く」ことによるプラスの効果
「今までやってきたことを積み上げてきただけ。努力すればいいことがある、ということじゃないですか」
「躍進の秘訣(ひけつ)は何ですかね?」という何ともぶしつけな質問に対し、トレードマークの“ハニカミ”を
見せながら答えてくれたのは望月一仁監督。現役時代は日本リーグのヤマハ発動機で闘志あふれるFWと
して活躍し、指導者としては磐田ユース監督やJFA(日本サッカー協会)のナショナルトレセンコーチなどを
歴任。2005年に愛媛の監督に就任すると、1年目にしてチームをJFL優勝・J2昇格に導き、今季は就任
5年目を迎える愛媛の顔だ。
確かに、今季になってトレーニング内容が一変したのかと言われれば、そのようなことは全くない。通常
トレーニングの大半は、4分の1コートでの5対5やハーフコートでの8対8など、プレッシャーをかけ合う中
での攻守にわたった正確なボールコントロールを求める作業が中心。大山俊輔や横谷繁の両サイドハーフ、
高杉亮太、三上卓哉の両サイドバックをストロングポイントとしつつ、「仕掛けながらつなぐ」というチームコン
セプトは実はこの5年間、タレントの違いはあれ一貫したものなのである。
その一方で、明らかに昨年と変わった、というよりは増えたトレーニング風景が1つある。それは素走りの量。
シーズン前は8キロインターバル走や10分間走といったさまざまな素走りメニューがキャンプ前半まで続き、
現在も週明け最初のメニューは4キロ程度のインターバル走が中心。「今年は走ることをベースにしたい」と
指揮官が始動日に明言した通り、この地獄のトレーニングは夏まで続くという。
そして、この素走りの効果は早くもさまざまなところに表れている。今季ここまで3得点で、内村圭宏と並び
J2得点ランキングトップにつけているFWの田中俊也はこう語る。「昨年よりも長い距離を走れているし、奪って
から速い攻撃やゴール前に入る人数も増えている」。また、DFの金守智哉も「集中力が切れると頭の回転が
遅くなるが、走れていることで判断にも余裕ができている」と試合運びにおける変化を話す。
(続きます)