09/03/27 00:13:26 0
>>7つづき
さて、どちらがよかったのか。
それはもう今がいいに決まっている。
等々力競技場でわたしはしみじみ思った。Jリーグ、いい感じなのである。サポーターの応援は熱く、それに
応えるべく選手たちもピッチで躍動している。わたしのような素人にも試合のレベルの高さがわかった。はっと
するプレーがいくつもある。十六年前には見つけられなかったことだ。だいいち全体の景色が美しい。地元に
チームがあれば、町は盛り上がることだろう。この日の開幕戦はどこも満員だった。
つまりは実態に合わなかった人気が冷め、一度底を打ったところからじわじわと成長し、今に至っているので
ある。多少のマイナー感はあるが、むしろこれを適正とするべきだろう。方向性は完全に正しいと思った。
それは覇権と中央集権を目指さないという方向性だ。
紅白歌合戦と日本レコード大賞と茶の間の巨人軍は、おとうさんたちが捨てられない昭和の大きな荷物である。
それは覇権と中央集権の象徴でもある。かつての栄光を忘れられなくて、あの手この手で盛り上げようとするが、
それは延命措置に過ぎず、根本的な治療法はもうない。無理なんですね。だって寿命が来たんだから。
Jリーグの百年構想が今になってわかりましたね。あとは歴史だけ。仙台の牛タンもあと三十年頑張ったら、
「後づけじゃねえか、しかも輸入牛」と難癖をつけるわたしのような人間が死んで本物の名物になる。
チームも一緒なのだ。
川崎フロンターレが地元民に愛されていることは、競技場を訪れたわたしにも充分伝わった。実に楽しい
土曜の午後だった。サッカーチームのある町がうらやましい。選手は町の誇りだ。だから中村憲剛、
タキシードは普通がいいぞ。
(了)