09/03/25 09:40:04 0
寄せられる同人誌の減少などを理由に、昨年末で打ち切りになった月刊文芸誌「文学界」
(文芸春秋)の名物欄「同人雑誌評」が、来月から季刊「三田文学」(三田文学会)に引き
継がれることになった。作家志望者が切磋琢磨(せっさたくま)し、数多くの新人を輩出してきた
同人誌も、近年は作者の高齢化や作風のマンネリ化が目立ち、往時の勢いはない。しかし
三田文学は、合評方式の導入や評者の若返りを進め、地道な定点観測を続けていきたいと
している。(海老沢類)
昭和26年に始まった文学界の同人雑誌評は、昭和30年に当時大学生だった石原慎太郎が
「一橋文芸」に発表した「灰色の教室」を絶賛するなど、無名の新人や地方の有望作家を
いち早く発掘してきた。昭和30、40年代には同人誌から芥川賞作品も生まれた。だが、
50年代に入ると状況が変わる。
村上龍、村上春樹がそれぞれ群像新人文学賞を受けてデビュー。新人発掘の場が公募の
新人賞へと移り、編集部に寄せられる同人誌の数もピーク時の3分の1程度の月60~70誌に
まで減少。「同人の高齢化やメンバーの固定化が進み、作品の勢いも薄れてきた」(舩山
幹雄編集長)と、昨年12月号での打ち切りを決断していた。
名物欄の“復活”は、三田文学の加藤宗哉編集長からの申し出で実現した。
「同人雑誌にも優れた作品はまだまだ眠っているし、文芸誌で紹介されるのは地方の筆者に
とって大きな励み。地道に修練を積む書き手のために、新人賞以外の道を残す必要があると
思った」と加藤編集長は明かす。>>2に続く
三田文学に移る「同人雑誌評」
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)