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【WBC・日本1―4韓国】ダルビッシュは1球目から球が上ずっていた。1番の
李容圭にはバントの構えで揺さぶられる。これで一層、制球を乱し、ストライクを
取りにいくと、安打を浴びた。2番への初球、まさかの盗塁でさらに揺さぶりを
掛けられる。制球を立て直せない。その焦りがバックにも伝わったかのように
守備が乱れ、1点目を失ったときには1死も取れていなかった。
「いい球はいっていた。飛んだコースと打球の弱さに運がなかった」と振り返ったが、
その運を手放すだけのプロセスが、そこまでにあった。勝てば準決勝進出、負ければ
敗退の危機に追い込まれる一戦の重みも、フォームを狂わせていたのだろう。
「力が入るもの。これが立ち上がりの難しさ」と山田投手コーチ。打席の最後部に
立って球筋を見極め、逆方向の打撃にも徹するなど韓国の組織的な攻めに屈し、
さらに2失点。投手力が武器の相手に、重過ぎるビハインドを背負った。
現地で注目された米国デビューだったが、北京五輪に続き、またも国際大会で
持てる力を発揮できない印象を残した。「あしたはベンチで全力で声を出して応援する」。
たとえ他力でも、もう一度雪辱の場を欲しているように聞こえた。 (共同)
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