09/02/26 14:22:14 0
「まったく興味ないですね」と、にべもない。メジャーへ行く気はないと断言する。
珍しい“人種”である。いまどきの若い日本人選手で、メジャーを夢の対象にしないなんて
不思議な存在だ。WBCへ出場するようなクラスの選手にとって、
大会は「売り込みフェア」の位置づけだ。ここで実力を証明してメジャーに行く。
伸び盛り。メジャーが注目し、WBCでも松坂大輔とエースを争う投手が、なぜ
「メジャーに興味ない」のか。
プロ入団時はメジャーも視野に入れているともっぱらだった。複数のメジャー球団が獲得の意思を見せ、
ダルビッシュもメジャー行きを日本ハム入団の条件にした、といわれていた。それが一変したのはなぜか。
「もともと父親の意向でしたから」と、マスコミ関係者が解説する。
「本人より父親がメジャーに送りたかった。本人は別の考えを持っていたのです。
父親のファルサはイラン人ですが、サッカーをしていて16歳のときに渡米。留学先で、
母親と知り合い結婚した。息子には、たんに野球をやるだけでなく、世界を知ってもらいたいという
気持ちが強いのです。野球やカネは人生の一部と考えているのですが、息子にはソレが通じない」
内向的な性格。イラン人と日本人のハーフとしてのハンディ。それを解消するための手段がスポーツだった。
スポーツではハーフの血が逆に作用した。長身と体の強さが武器になった。能力をさらに
伸ばして蓄財させたいというのが、父親の計画だったのだ。
しかし本人は父親の傀儡(かいらい)を嫌ったのか。ハーフであることを、父親とは別方向でとらえた。
球団関係者が言う。「子どもの頃、ガイジンと差別を受けた。そのせいで、オレは日本人だという意識を
強く持つようになったのです。イラン人の血が混じろうと、オレは日本人だ。ファンや子どものためにも、
日本で野球をやる。メジャーに行くくらいなら野球をやめる、とまで考えるようになったのです」
20歳で選択を迫られて国籍を日本に決めた。そういう固有の事情がダルビッシュの
「血」を刺激する。「日の丸」を背負う意識が強くなる。
URLリンク(gendai.net)