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(つづき)
日本のプロ野球は、一過性の「祭り」が持つ危うさも考慮すべき
「野球の国際化」というテーマから離れ、「日本のプロ野球の将来」というものとWBCとの
関連について考えてみても、課題は山積している。まずは優秀な選手のMLB流出という現実について。
第1回のWBCに出場した選手を思い出して欲しい。松坂大輔、福留孝介、岩村明憲、上原浩治、薮田安彦。
彼らは、NPBの選手としてWBCに出場した後、MLBへと移っていった。
そう、WBCはメジャーを目指す選手にしてみれば「実力をアピールする場」であり、
メジャーのスカウト陣にとっては「有力な外国人選手を視察する場」としても機能している。
これもまたWBCのもう1つの現実的側面なのだ。
日本選手が米国に実力を見せつけて、移籍の足がかりにすることをことさら問題視するつもりはない。
だが、日本国内のプロ野球の繁栄を考える視点で言えば、優秀で人気のある選手が
海外へ流出することは大きな損失だ。この事実も私たちはしっかりと踏まえてWBCを見なければいけないのである。
人材流出の問題だけではない。第1回のWBCには、特に千葉ロッテ・マリーンズの選手が多数出場した。
しかし激戦の結果、負傷者も出て、その年のペナントレースでロッテは苦戦を強いられることとなった。
4月から長期シーズンが開幕するのに、その直前の2~3月にWBCは開催する。「本当にこのタイミングでいいのか?」
という問題もある。今回は中日ドラゴンズの選手たちが相次いで出場を辞退した。シーズン優勝を目指す
チームとしてみれば、「主力選手を国際大会で壊されてはかなわない」と考えるのは当然なのである。
そして大きな問題点がもう1つ。それは、「短期間で決する国際大会」という「お祭り騒ぎ」の功罪についてだ。
第1回のWBCは日本が劇的な優勝を飾ったことでメディアも大きく扱い、日本中の野球ファンを喜ばせた。
これは素晴らしいことである。北京オリンピックでの日本チームの戦いにも多数の人が注目をした。
しかし、かんじんのペナントレースの人気はどうだろう?
(つづく)