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多くの役者を育てた歌舞伎の名脇役、中村又五郎(なかむら・またごろう、
本名・中村幸雄=なかむら・ゆきお)さんが21日午前4時10分、老衰のため、
東京都内の自宅で死去した。94歳。東京都出身。自宅は非公表。通夜は
26日午後6時、葬儀・告別式は27日午前11時半から増上寺光摂殿で。
喪主は長男、中村甚之介(なかむら・じんのすけ)氏。
大正3年7月21日生まれ。父親は初代中村又五郎。父親に早く先立たれ、
6歳で2代目又五郎を襲名して初舞台。名子役と言われた。父親と親しかった
名優・初代中村吉右衛門のもとで修業し、女形や若衆、のちに立役(男の役)、
敵役、三枚目、老女役と芸域を広げ、歌舞伎界の最年長者として後進の指導
にも当たっていた。
また、昭和45年に国立劇場が発足させた歌舞伎俳優研修制度の主任講師
をつとめ、50人余の役者を歌舞伎界に送り込んだ。「教えることは教わること
でもある」が持論で、市川猿之助一門の市川笑也ら人気スターも育てている。
国際交流にも熱心で、フランスやハワイで歌舞伎の実技指導を行ったほか、
94年に能・文楽・歌舞伎の演者がそれぞれ「俊寛」を上演する企画の欧州
公演に参加し、俊寛を演じた。舞台活動と人材育成の功績の両面が評価され、
97年に歌舞伎脇役として2人目の人間国宝に選ばれた。
近年は舞台出演が減っていたが、04年に東京・歌舞伎座で上演された
中村勘三郎主演の「今昔桃太郎」で、約半世紀前の勘三郎の初舞台でも
つとめた犬の役を再び演じた。最後の舞台は06年4月の「六世中村歌右衛門
五年祭追善口上」。09年1月の歌舞伎座さよなら公演古式顔寄せ手打ち式
にも姿を見せた。
又五郎さんのファンだった作家の故池波正太郎氏に「又五郎の歳月」の
著書があり、人気シリーズ「剣客商売」の主人公、秋山小兵衛は又五郎さんを
イメージして書いたという。
画像:94歳で亡くなった人間国宝の歌舞伎俳優・中村又五郎さん
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サンケイスポーツ
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朝日新聞
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