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年末の一大イベントになっている若手漫才の日本一を決める「M―1グランプリ」
(テレビ朝日)。今年も21日に決勝大会が行われて大騒ぎしたが、単なる“お祭り”
になっているのが現状で、これでは芸人にはプラスにならないのではないか。
今回の優勝者は結成8年目の「NON STYLE」(ノンスタイル)。石田明(28)の
わかりやすいボケと、井上裕介(28)のテンポのいいツッコミが持ち味だ。これまで
も、「爆笑オンエアバトル」(NHK)の年間チャンピオンになったり、数々の漫才コン
クールで優勝歴を誇るなど、その実力は高く評価されていて、優勝も納得だ。
しかし、受賞後に漫才をやるチャンスが増えるわけではなく、バラエティーに呼ば
れて“ヒナ壇芸人”になるのが関の山。「M―1」に何の意味があるのか分からない。
実際ここ数年、「M―1」で優勝した芸人たちは、すぐに引っ張りダコになった。
去年のサンドウィッチマン、一昨年のチュートリアル、3年前のブラックマヨネーズ
なども、テレビでその姿を見る機会は一気に増えたものの、漫才は以前よりレベル
ダウンしていると言ってもいいほどだ。
●TV局は漫才番組を作るべき
「このままでは『グランプリ』の意味がありません」と、放送評論家の松尾羊一氏は
こう言う。「最近のテレビがつまらなくなったのは、芸人をたくさん集めてバカ騒ぎする
ようなバラエティーが増えたからです。これでは、テレビ受けする“使い捨て芸人”が
増えるだけ。『M―1』がその片棒を担いでいるとなれば、本末転倒ですよ。かつて
は、『花王名人劇場』のような“芸”をしっかりと見せる番組がいくつかあって、そこから
数多くの人気芸人が生まれました。しかし、せっかく漫才の実力があっても、お手軽
なバラエティーしかない状況では本物の芸人は育ちません。テレビ局はきちんと芸を
見せる漫才番組を作るところまで考えないと、自分たちの首を絞めるだけですよ」
今年の「M―1」は過去最高の視聴率23.7%をマークした。テレ朝は大喜びして
いるが、今のままでは何のためのグランプリか分からない。
ソース:日刊ゲンダイ(2008年12月25日掲載)
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