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「世界最高のリーグ」と羨望(せんぼう)を集めてきたサッカーのイングランド・プレミアリーグに激震
が走っている。世界的な金融危機で資金繰りがつかなくなり、経営難に陥ったクラブの身売り話が
続出。クラブ世界一に輝いたマンチェスター・ユナイテッド(マンU)も高金利の借金にあえぐ。外資
導入で世界中のスター選手をかき集めて急成長した“黄金リーグ”は今、オーナー資格の見直しを
検討するなど岐路に立たされている。(ロンドン 木村正人)
横浜市の日産スタジアムで行われたクラブワールドカップ(W杯)決勝(21日)で、欧州代表のマ
ンUは南米代表のリガ・デ・キト(エクアドル)を1-0で破り、世界の頂点に立った。しかし、栄光を支
えるマンUの台所事情は決して楽ではない。
マンUは2005年に米実業家に買収されたとき、負債ゼロの黒字経営だった。その後、選手の大
型補強が相次ぎ、クラブ収入も3割増えたものの、ギルCEO(最高経営責任者)は本紙に「クラブ
の有利子負債は700億円」と打ち明けた。英紙によると、一部の返済利息は14.25%に達しており
、昨年77億円の損失を出した。「いい話があれば、米実業家は売却する可能性がある」(サッカー評
論家)という。
同リーグのスクードモーCEOは10月の会合で「リーグの収入と負債はほぼ同額で、3300億~
3400億円」と述べ、年収と負債が1対1なら健全経営との基準を示した。しかし、金融危機は“金満
オーナー”の懐を直撃している。
英BBC放送は、ウェストハムが売却される可能性があると報じた。2年前に同クラブを買収したア
イスランド人のグズムンドソン氏はアイスランド政府によって国有化されたランズバンキ銀行のオー
ナー。スポンサー企業の倒産もあり、資金繰りに窮している。
<続く>