08/11/13 14:56:02 0
マラソンは時間がかかる。2時間以上、特に変化のない走り方と表情を見続ける。
いきおい、余計なことを考える。
「はたして、尚子は処女なのか?」
涼しい顔して走る高橋尚子。マスコミ関係者が妄想たくましく、素朴な疑問を口にした。
「ナニをバカな」と、即座に隣席の関係者が一蹴して、怒った。
「あの子はね、クリーンですよ。いろいろ取材したけど男の影はなかった。怪しい人物はいた。
尚子は可愛いからね。取り巻きの中に、仕事熱心が高じて男女関係を考えたヤツがいた、
という話はあった。でも、憶測の域を出ない。海外ではムリだったし、Qちゃんはきれいな体だよ」
高橋尚子がスピードを上げた。「そうか。聖少女なんだ。でも、それランナーにとって
プラスなのかな」と、関係者が専門家に聞いた。
平山昌弘氏。旧ユーゴスラビアでナショナル・スキーチームのフィジカルトレーナーを務めた。
アスリートとセックスの関係について、苦笑しながら「それは功罪あります。しかし、純粋に
フィジカル面から見て、マラソンランナーにとって、セックスはプラス」だと、高橋の脚を指して、こう解説した。
「セックスは運動学的に見て、インナーマッスルを鍛えるよいトレーニングになる。外から
見える筋肉と違って、インナーマッスルは鍛え方が難しい。セックス行為は不自然な運動を
必要とする。それがよい。非日常的な動作が、骨盤の中の腸腰筋群(ちょうようきんぐん)と
いうインナーマッスルを鍛えるので、骨盤がしっかりしてくる。股関節がちゃんと使えるようになる」
高橋の表情が少し苦しくなってきた。足が痛いのだろうか。「何しろQちゃんの体はボロボロ。
ケガのデパートみたいだからなあ」と、先の関係者がつぶやいた。
「99年くらいからケガにやられっぱなしだった。左ひざ、左腕骨折、ふくらはぎ肉離れ、
肋骨(ろつこつ)疲労骨折。そして去年の夏には米国で、極秘に右ひざを手術。半月板を
半分切除した。食あたり、腹痛と内臓も悪化していた。体は限界だったよ」
(続く)
ゲンダイネット:URLリンク(gendai.net)