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社説:自民マニフェスト さあ公約を比べよう
やっと、公約を比べる土俵ができた。衆院選に向け自民党はマニフェスト(政権公約)を発表した。
景気回復後の消費税増税や道州制を掲げ民主党との違いを意識し、少子化対策では3年間で
幼児教育の段階的な無償化の実現を盛り込んだ。
政権交代を掲げる民主党の攻勢にさらされる自民党は、かつてない危機に直面している。だが、
公約は全体的に総花的で数値や期限もあいまいだ。民主党に対抗する旗が十分に示されたとは言い難い。
麻生太郎首相は記者会見で「他党との違いは責任力だ」と語り、社会保障など「安心」の実現を
前面に掲げた。公約では実現まで3年の期限を切り、無年金、低年金への対策や幼児教育無償化を
打ち出した。財源対策も民主党がほとんどふれずじまいだった消費税など税制改革の11年度までの
法制化を明記し、「違い」を意識したことは理解できる。
だが、何を有権者に訴えたいのかが胸に伝わってこない。首相は「行きすぎた市場原理主義と
決別する」と「中福祉、中負担」を強調するが、同時に10年度後半に年率2%の成長実現も掲げる。
社会のひずみ是正と経済成長を両立させるという戦略や必要な対策、財源規模が説明されたとは言えまい。
期限についてあいまいだったり、かなり先の表現も目立つ。都道府県を廃止する「道州制」実現も
「基本法制定後6~8年を目途」とはっきりしない。「衆参両院の定数を10年後に3割以上削減」
「10年で家庭の手取りを100万円増やす」など、10年先の証文がそもそも公約になじむのか。
「期限の記載が特にない限り、公約は4年で達成する」との説明では、あまりにおおまかだ。
郵政民営化一本やりで実際は乗り切った前回衆院選と異なり、今回は政策が総合的に試される。
どんな手順で具体化するか、より短期間に絞り工程表で明確にすべきである。