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北海道小樽市で97年、拳銃所持容疑で逮捕され、服役した元船員のロシア人男性(39)が
「違法なおとり捜査で損害を受けた」として、国と道に計2310万円の損害賠償を求めた訴訟
で、捜査にかかわった稲葉圭昭・元北海道警警部(55)=覚せい剤取締法違反罪などで服役
中=の証人尋問が31日、服役する千葉刑務所の出張法廷であった。稲葉元警部は「違法な
おとり捜査だった」と認めた。道警はこれまで一貫して違法捜査を否定しており、稲葉元警部
の証言は今後の訴訟に大きな影響を与えるとみられる。
証人尋問は約3時間半、非公開で実施された。札幌地裁の中山幾次郎裁判長のほか、
原告、被告双方の弁護団が立ち会った。
原告側の岸田洋輔弁護士らによると、稲葉元警部は道警銃器対策課に勤務していた当時、
この事件に関与したパキスタン人男性ら捜査協力者に、普段から飲食などの接待を通じて、
「『だれかに拳銃を持ってこさせろ』と指示していた」と証言。事件について「(拳銃を)持って
来る気のない人に持ってこさせた。違法だった」と述べたという。
以前、「パキスタン人男性はその場にいなかった」と偽証したことについては「偽証の方針を
決めたのは自分より上の人間だった」と語ったという。
訴状によると、ロシア人男性は97年11月、パキスタン人男性から「拳銃と中古車を交換して
やる」と持ちかけられ、小樽港で拳銃を渡そうとしたところ、道警銃器対策課の捜査員に逮捕
された。男性は裁判で「違法なおとり捜査」と無罪を主張したが、稲葉元警部が偽証。懲役2年
の実刑判決を受けた。
その後、偽証が発覚し、道警は稲葉元警部と上司ら計4人を虚偽公文書作成・同行使容疑
で書類送検したが、札幌地検は不起訴処分とした。05年にロシア人男性が損害賠償を求め
る訴訟を起こした。
岸田弁護士は「ロシア人男性の逮捕現場にいた稲葉元警部から(違法捜査の)証言を得ら
れたことが最大の収穫だ。こちらの主張を裏付けることができた」と話した。
道警は毎日新聞の取材に対し、「係争中の事件なのでコメントできない」としている。
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