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大阪市が今後10年間の収支見通しで、15年度にも財政破綻(はたん)状態の「財政再生
団体」に転落すると試算していることがわかった。景気悪化で税収が大幅に落ち込んでいる
ためで、今後3年間の税収は昨秋の見通しより2千億円減り、10年後には2600億円の
収支不足になるとした。平松邦夫市長は一層の歳出削減を迫られるのは必至だ。
地方自治体財政健全化法に基づき、財政再生団体になると財政再生計画の策定が義務
づけられ、国の管理下で市民サービスの大幅な見直しなどを迫られることになる。
市は昨秋の試算で11年度までの税収を2兆600億円と見込んでいたが、今年度予算で
は1200億円減少すると下方修正。だが、市内企業の08年度決算を分析したところ、業績
悪化が市の予想を超えており、さらに800億円落ち込み、1兆8600億円にとどまるとした。
今後、税収が伸びても生活保護費の大幅な増加も見込まれることから、18年度に2600
億円の累積赤字になると試算。大幅な歳出削減に着手しなければ、14年度には実質赤字
比率が基準の11.25%を上回って財政破綻手前の早期健全化団体となり、15年度には
同比率が基準の20%を超え、財政再生団体に転落するとしている。
総務省によると、旧法(地方財政再建促進特別措置法)による財政再建団体は北海道
夕張市のみ。現在の地方自治体財政健全化法に基づく早期健全化団体、財政再生団体
に転落した自治体はないが、大阪府泉佐野市は今年度、早期健全化団体に転落する
見通しという。
今回の収支見通しには、第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」
(WTC)の二次破綻に伴う最大495億円の損失補償など未確定の要素は含まれて
おらず、実情はさらに厳しいと見られる。
平松市長は昨年、職員給料の5%カットなど09~10年度に688億円の歳出削減策を
打ち出したばかり。敬老優待乗車証の有料化案など一部の削減案は、市議会の反対で
暗礁に乗り上げている。
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