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車いすで生活を送る谷口明花(めいか)さん(12)=奈良県下市(しもいち)町=が、希望
した町立下市中学校への進学を拒否された問題で、町と町教育委員会は、仮の入学許可を
出すよう義務づけた奈良地裁の決定を不服として、大阪高裁に即時抗告した。1日付。高裁
決定が出るまでは地裁決定が有効であるため、町側は2日付で就学通知書を谷口さん側に
手渡し、仮入学を認める方針。明花さんは3日にも初登校する。
下市町教委の堀光博教育長は「地裁決定には納得できない部分もあり、抗告した。仮入学
は認めるが、訴訟はまた別の問題」と話し、高裁で町側の主張を認める逆転決定が出れば
入学を取り消す可能性を示唆した。
明花さんの父親の公務員、正昭さん(51)は「非常に残念。できることなら抗告して欲しく
なかった」としたうえで、「明花が一日も早く安心して通えるようにしてほしい」と、早期決着
への望みを語った。
この問題をめぐっては、奈良県の荒井正吾知事が1日の定例会見で、地裁の決定を
「大変すばらしい、賛同できる判断」と評価。町教委に明花さんの早期受け入れを求め、
講師の派遣などで支援する考えを示していた。
明花さんは、地元の町立小学校を今春卒業したが、町教委は障害などに見合った設備が
ないことなどを理由に下市中への入学を拒否。明花さんと両親は4月下旬、町と町教委に
入学許可を求めて奈良地裁に提訴。地裁は6月26日、判決が出るまでの措置として、
町教委などに仮に入学を認めるよう決定を出した。
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衣料雑貨店で下市中の制服を試着させてもらい、喜ぶ谷口明花さん(右)と母親の美保さん
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