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中国の患者から採取した新型インフルエンザウイルスが、人の体内で効率よく増殖する
能力を獲得していたことが19日わかった。
東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は「人での感染が爆発的に広がる
恐れがある。動向を監視する必要がある」と、注意を呼びかけている。
河岡教授によると、この新型ウイルスは上海市の女性患者(22)から先月31日に採取
された。世界中のウイルスの遺伝情報を集めたデータベースに登録されていたものを、
河岡教授が分析した。新型ウイルスは、豚と鳥、人のウイルスが混ざり合ってできている。
増殖にかかわる遺伝子は鳥由来で、鳥の体温(42度)で最も効率的に増える。
ところが、上海で見つかったウイルスは、この遺伝子が1文字分だけ変異して、人の体温
(36度)で、効率的に増殖できるように変化していた。
マウスの実験では、ウイルスのこの部分を変化させると、増殖力が爆発的に増え、病原性
が高まることが分かっている。
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