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幹部、自腹で補填 栃木農政事務所 不祥事職員の減額分
3月20日7時57分配信 産経新聞
農林水産省栃木農政事務所の所長ら幹部が平成１７年、職員組合「全農林
労働組合」（全農林）側の要求を受け、不祥事で処分された職員３０人の
ボーナス減額分計約５４万円を自費で補填（ほてん）していたことが分かった。
農水省では全農林側の違法な組合活動「ヤミ専従」疑惑を十分に調査しな
かったことが判明しており、労使関係で新たな疑惑が浮上した。
農水省によると、農政事務所長ら幹部は平成１７年１０月、コメの検査をめぐる
不祥事でボーナスなどの減額査定を受けた職員３０人について、全農林の
地方組織「宇都宮分会」から減額分を補填するように何度も要求された。
事務所長らは労組とのトラブルで業務に支障が出ることを恐れ、１２月、
懇親会などのために私費を集めた「部課長会費」から現金５４万円を支出し、
３０人に手渡した。
１９年２月になって、本省秘書課が全農林側に抗議。全農林側も補填要求は
「社会通念上、許されない」として３０人に５４万円を返却させたという。一連の
経緯で、所長は降格となったが、補填要求した職員らは処分されていない。
全農林の花村靖書記長は「補填要求を中央本部から指示していない。地方の
単独行為」と説明している。
全農林は農水省職員で構成する労働組合で、組合員数は約１万９０００人。
組織率は９７％で全省庁の労組で最も高い。中央執行委員長は、国家公務員
の労組などの連合体「国公関連労働組合連合会」の委員長を兼ねるなど、
影響力がある。
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