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愛知県の不正経理問題で、神田真秋知事は１６日、０８年度までの８年間の不正総額が
約１４億９千万円だったとする全庁調査の最終結果を公表した。これまで約５億４千万円の
不正が判明していたが、調査対象を拡大したため一気に額がふくらんだ。県は、国へ返還
する補助金分や不正で県が受けた損害分について、知事や幹部、現役職員だけでなく、
職員ＯＢにも負担を求める方針だ。
結果を公表した１６日午前の記者会見で、神田知事は「行政として非常に恥ずかしい。
許されざること。県民の皆様におわびしなければならない」と述べた。
１４億９千万円のうち、物品を架空発注して「代金」を納入業者にため込む「預け」は
約１億２千万円に達した。発注とは違う物品を納めさせる「差し替え」などと合わせた、
悪質な事例が３億７千万円と４分の１を占めた。
不正経理は当初、国の会計検査院が県建設部と農林水産部の０２～０６年度の補助事業
を調べ、３億１千万円が発覚した。これを受け、県が独自に０７年度分の支出を対象に全庁
調査をしたところ、約２億３千万円が新たに表面化。その後、県は現存する会計資料をもとに
過去にさかのぼって調査を続けていた。
県は既に、検査院の指摘を受けた３億１千万円のうち、国が返還を求めていた補助金
１億３千万円と利息分の加算金６千万円を合わせた１億９千万円の返還を決めている。
今回新たに判明した分についても国と返還を協議する。
職員負担額については、弁護士らで作る経理適正化外部委員会（山田靖典委員長）が
検討を進めている。不正経理で公的な物品を購入している事例でも、「正式に入札したら
もう少し安く買えた」として、「預け」や「差し替え」といった悪質なケースについては、県の
損害額相当分を一定割合で計算し職員に返還させる方針だ。この際、現職だけでなく
ＯＢにも負担を求めていくことも決め、対象者の特定や返還総額の算定などを進めている。
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