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兵庫県淡路市(淡路島)の垣内(かいと)遺跡で、鉄製の武器などを生産した弥生時代後期
(1世紀中ごろ~3世紀初め)の鍛冶(かじ)工房跡10棟が見つかったと、市教委が22日、発表した。
弥生時代最大規模の鉄器生産工房で、鉄器の製作技術や流通ルートを解明するうえで重要な
手がかりとなる。
遺跡は標高約200メートルの丘陵にあり、面積は約1・8ヘクタール。2007年度からの調査で
見つかった竪穴建物跡計17棟のうち、10棟が工房跡と判明した。うち直径10メートル前後に
達する大型の建物跡も3棟あり、壁際に柱を立てて中央の作業空間を広く取っていた。
これらの工房跡は、中央に高温で赤く焼けた炉跡があり、周囲からは鏃(やじり)などの鉄器とその
未完成品や鉄片計75点のほか、砥石(といし)や台石、石づちなどの製作道具がまとまって出土した。
また、中国か朝鮮半島から持ち込まれ、鉄器の材料として使われた可能性がある大型鉄板(縦約
5センチ、横約20センチ、厚さ約3センチ)も見つかった。
鉄器生産は弥生時代中期(約2000年前)に、朝鮮半島から九州北部を経て、日本海、瀬戸内海
沿いなど複数ルートで東へ伝わったとされるが、実態はよくわかっていない。
村上恭通・愛媛大教授(冶金考古学)は「当時の鉄器生産の状況を伝える最東端の遺跡。鉄器
生産技術の波及を考えるうえで、淡路島の重要性が増した」と高く評価している。
現地説明会は25日午前10時半と午後1時半から。
ソース
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)