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差し出された名刺にはフリーライターと記されていた。昨年、パソコンで名刺をつくるまではフリーターだった。コンビニで
働きながら考えた世代の問題を月刊誌「論座」に寄稿した。それが赤木智弘さん(33)の分岐点だった。
東京の暮らしは厳しかった。ハンバーガー店などの稼ぎでは生活費が足りず、消費者金融から借りた。栃木の実家に戻り
返済のために働いていると、問題はどこにあるのかと考えるようになった。
〈社会に出た時にはバブルは崩壊し、企業は採用を絞っていた。景気回復後もフリーターを正社員に雇おうとはしなかった。
経済成長時代を生きてきた世代が身を守るため、不利益を押しつけている。貧困から抜け出せない「平和な社会」なんて
ロクなもんじゃない。〉
でも、私もその一人だけれど、個人や企業は身を守ろうとしがちです。政治が公平なルールを作るべきでは―。そう尋ねると、
赤木さんは不信感をのぞかせた。
〈政治は投票率が高い高齢者にばかり、目を向けている。昨年の参院選は年金が争点になったが、財源となる保険料を
払えない若者の増加は顧みられなかった。水源を枯らしておいて「蛇口から出る水を増やせ」と言うようなものでしょう。〉
少子高齢化で若い世代が背負う重みは増していく。年々逆立ちする人口ピラミッドからもその重さがみてとれる。なのに政治は
彼らの声に鈍感だ。投票率が低く、魅力ある「票田」と映らないからだ。だがその結果、高齢化社会の支え手が弱れば、
逆さピラミッドは「倒壊」してしまう。
〈これからは頼る親も退職し、食べることに事欠く人が増える。私たちに残された時間は短いのです。こんな政治は早く崩壊
してほしい。その方が再建も早い。〉
この秋、再び東京の暮らしを始めた。フリーライターとして訴えるために。
(以下略。全文はソース元でどうぞ)
ソース(朝日新聞) URLリンク(www.asahi.com)