09/02/19 11:39:44 rE6QzHbG
USDKRW: 1472.60 (+0.35%; 11:38:03 JST)@tnok
ねずみ捕りは全体、人間の味方なはずですが、ちかごろは、どうも毎日の新聞にさえ、
猫(ねこ)といっしょにお払い物という札をつけた絵にまでして、広告されるのですし、
そうでなくても、元来人間は、この針金のねずみ捕りを、一ぺんも優待したことはありませんでした。
ええ、それはもうたしかにありませんとも。それに、さもさわるのさえきたないようにみんなから思われています。
それですから実は、ねずみ捕りは人間よりはねずみの方に、よけい同情があるのです。
けれども、たいていのねずみはなかなかこわがって、そばへやって参りません。ねずみ捕りは、毎日やさしい声で、
「ねずちゃん、おいで。今夜のごちそうはあじのおつむだよ。お前さんの食べる間、
わたしはしっかり押えておいてあげるから。ね、安心しておいで。入り口をパタンとしめるようなそんなことをするもんかね。わたしも人間にはもうこりこりしてるんだから。おいでよ。そら。」
なんてねずみを呼びかけますが、ねずみはみんな、
「へん、うまく言ってらあ。」とか、
「へい、へい。よくわかりましてございます。いずれ、おやじや、せがれとも相談の上で。」
とか言ってそろそろ逃げて行ってしまいます。