10/03/10 16:25:31 +odzmeedP
「セカイカメラ」や「Yahoo!地図」などの人気アプリがAppleの一方的な判断で突然iPh
oneのApp Storeから姿を消したことが問題になっているが、独断でアプリを非表示にする
法的な権利がAppleに果たしてあるのだろうか。この疑問に答えるべく、米権利団体のEle
ctronic Frontier Foundation(EEF)は、アプリ開発者とAppleの間で交わされている契約
書の内容をウェブ上で一般向けに公開した。契約書は、Appleが示した認可基準に準拠し
ているアプリであってもAppleに拒否する権利があるとするなど、Appleに一方的に有利な
内容になっている。EEFはAppleに対し「嫉妬深く自分勝手な封建時代の領主のように振舞
うのではなく、自由競争とイノベーションを促進すべきだ」と呼びかけている。
この契約書は契約の内容自体を公開することを禁止しているが、EEFは米航空宇宙局(N
ASA)がiPhoneアプリ「Nasa App」を開発したことを受けて、政府関連書類の閲覧の権利
を認めた情報公開法に基づく要求手続きを使って、NASAとApple間の契約書を入手したと
いう。
EEFによると、契約書には次のような条項が含まれているという。
(1)契約内容に関して、公開声明を出すことを禁止
この契約が一方的な内容である、という意見でさえ公開の場で表明できないようだ。
(2)AppleのAppStore以外でのアプリ公開の禁止
Appleが提供するソフトウェア開発キットを使用した場合、開発したアプリをAppStore以外で公開、
販売できない。Appleが認可しなかったアプリを、他のアプリ市場で公開することも不可。
Appleが提示した認可基準に準拠しているアプリであっても、Apple側の都合だけで拒否することができる。
(3)リバースエンジニアリングの禁止
どのように設計されているか分解して調べることをリバースエンジニアリングというが、
ソフトウェア開発キット及びiPhoneの基本ソフトのあらゆる形のリバースエンジニアリングを禁止している。
互換性を確認するためのリバースエンジニアリングは法的に認められているが、この条項によるとそれさえ禁止しているような書き方になっているという。
(4)いかなるときでも電子証明書を無効にできる
ユーザーがダウンロードしたアプリであってもApple側からの遠隔操作で無効にできると
スティーブ・ジョブズが語ったとされるが、それを実際に実行する権利がAppleにあるような契約になっている。
(5)50ドル以上は責任なし
Appleが開発者にどのようなダメージを与えたとしても50ドル以上の損害賠償はない、
という条項も含まれている。例えばセカイカメラが非公開になったことで頓智ドットが多額の損害を被ったとしてAppleを訴えたとしても、
Appleは50ドルまでしか支払わない、ということだ。
もちろんこの契約書通りのことが法的に認められるかどうかは最終的には裁判所の判断になるが、
企業間の契約でここまで一方的な内容になっていることに対して、EEFは「少々驚いた」としている。
EEFは、この契約内容を受けて次のように結んでいる。
もしAppleのモバイル機器がコンピューティングの未来であるとするならば、PC時代よりも自由競争とイノベーションが制限された未来になるだろう。
自由競争とイノベーションの最初のパイオニアであるAppleが市場に足かせをかけているのが残念である。Appleが真のリーダーでありたいのであれば、
嫉妬深く自分勝手な封建時代の領主のように振舞うのではなく、自由競争とイノベーションを促進すべきだ。
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