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携帯通信機メーカーにガラパゴス化の反省はあるのか? - 松本徹三
私には、日本の携帯端末メーカーが世界市場で惨敗を喫した理由は、下記のような単純明快
なものであると思えます。
1)トップマネージメントに「世界市場で最後まで戦う」という強い意志がなかったこと。
2)細かいところでの技術にこだわり、そこでのわずかな優位性を過信して、マーケティング
を軽視したこと。
3)コスト競争力がまったくなかったこと。
コスト競争力については、「ボリュームが稼げないので、膨大な開発負担が1台当たりのコスト
に重くのしかかった」ことは事実ですが、その前に、「機能がどんどん複雑化していくのに、
きちんとしたOSを作ることを怠った為、モデルごとの開発費が膨大になった」ことが大きい
と思います。つまり、客がどんどん増えていくので、うれしい悲鳴を上げながら増築に増築を
重ねた温泉旅館のようなもので、いつの間にか迷路のような複雑な構造になってしまい、
合理的な造りの新築旅館に太刀打ちできなくなってしまったのです。
日本では、これまでは誰もが、「日本の携帯電話機は世界で一番進んでいる」と信じてきた
ようですが、この神話はiPhoneの登場で完全に崩壊しました。iPhoneを使った人にはすぐに
理解できることですが、iPhoneは多くの点で日本の既存機種に圧倒的な差をつけています。
まず、画面が美しく、使い勝手が快適です。その上、アプリが毎日どんどん増えていっており、
日々「新たな使い方」が提案されていくかのようです。
これは、iPhoneにおいては、システム全体が当初からそのような「戦略」に基づいて作られた
からであり、「戦略なき戦術」に終始してきた日本メーカーは、すぐには追いつけそうにありま
せん。日本の携帯通信業界が、「猫をなでていたら虎になってきた」感じで毎日を過ごしている
間に、海の向こうでは、「虎を飼いならすのはどうしたらよいか」を初めから考えていた会社が
あったということです。
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