09/10/09 23:12:09 NYvXOgJei
私には、日本の携帯端末メーカーが世界市場で惨敗を喫した理由は、下記のような単純明快なものであると
思えます。
1)トップマネージメントに「世界市場で最後まで戦う」という強い意志がなかったこと。
2)細かいところでの技術にこだわり、そこでのわずかな優位性を過信して、マーケティングを軽視したこと。
3)コスト競争力がまったくなかったこと。
コスト競争力については、「ボリュームが稼げないので、膨大な開発負担が1台当たりのコストに重くのしか
かった」ことは事実ですが、その前に、「機能がどんどん複雑化していくのに、きちんとしたOSを作ること
を怠った為、モデルごとの開発費が膨大になった」ことが大きいと思います。つまり、客がどんどん増えてい
くので、うれしい悲鳴を上げながら増築に増築を重ねた温泉旅館のようなもので、いつの間にか迷路のような
複雑な構造になってしまい、合理的な造りの新築旅館に太刀打ちできなくなってしまったのです。
日本では、これまでは誰もが、「日本の携帯電話機は世界で一番進んでいる」と信じてきたようですが、この
神話はiPhoneの登場で完全に崩壊しました。iPhoneを使った人にはすぐに理解できることですが、iPhoneは
多くの点で日本の既存機種に圧倒的な差をつけています。まず、画面が美しく、使い勝手が快適です。その上、
アプリが毎日どんどん増えていっており、日々「新たな使い方」が提案されていくかのようです。
これは、iPhoneにおいては、システム全体が当初からそのような「戦略」に基づいて作られたからであり、
「戦略なき戦術」に終始してきた日本メーカーは、すぐには追いつけそうにありません。日本の携帯通信業界が、
「猫をなでていたら虎になってきた」感じで毎日を過ごしている間に、海の向こうでは、「虎を飼いならすのは
どうしたらよいか」を初めから考えていた会社があったということです。
URLリンク(agora-web.jp)
ガラケー=客がどんどん増えていくので、うれしい悲鳴を上げながら増築に増築を重ねた温泉旅館のようなもの
で、いつの間にか迷路のような複雑な構造。「猫をなでていたら虎になってきた」感じで毎日を過ごしている。
iPhone=合理的な造りの新築旅館。「虎を飼いならすのはどうしたらよいか」を初めから考えていた。