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■あのSCEが実質的な解体ひとつの時代が終わった
その第1弾が、業界大手バンダイナムコゲームスの利益下方修正発表。200人におよぶリストラ特損の計上で、
持ち株会社であるバンダイナムコホールディングスが、10年3月期の当期利益予想を85億円の黒字から310億円の
赤字に修正した。同時に、ゲームスの鵜之澤伸社長が4月1日に副社長降格になる人事も発表されるなど、”和をも
って尊しと為す”企業文化がモットーのバンダイナムコらしからぬ状況に業界中が震撼させられた。
第2弾は、ソニー。「プレイステーション(PS)シリーズ」を擁する子会社、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の
実質上の解体だ。
親会社のソニーはSCEをまず「SNEプラットフォーム」という名称に変更、ゲーム機やソフトの開発、販売部門を新SCEに
引き継いだ後、残ったネットワーク部門を吸収合併するという。
この残ったネットワーク部門は、ハワード・ストリンガー会長が目指していたコンテンツビジネスを担う。たとえば、同社のテレビ
「3D対応ブラビア」や「PS3」などの端末を使った、「ソニーオンラインサービス」を展開する予定だという。
実は今回の目的については、業界関係者の間でも判断が分かれており、「事実上の会社整理」、「会計上のテクニックの問題」
という声もある。だが、プレイステーション3以降の赤字は、東芝に売却したセル工場の売却損4000億円を含めると、9000億円
にも達している。「もはやこれ以上、親会社もSCEを放置できなかったのでは。今後は状況によっては解散も選択肢に入って
いるでしょう」というのが大勢だ。
SCEといえば、”ソニー”グループの一員でありながら、「反ソニー」精神を掲げてきたことで知られている。その旗手が、”プレイ
ステーションの父”として知られる、久夛良木(くたらぎ)健同社名誉会長だった。
PS2が発売された2000年、不振にあえぐ本社の方針によって、SCEはソニーの完全子会社となったが、その時の久夛良木氏の
「アルツハイマーの親(本社)を子(SCE)が面倒見ることになりました」という台詞(せりふ)が象徴的だった。当時を知るソニー関係者は
このSCEの顛末について複雑な思いでいるに違いない。
だが、昨年秋には久夛良木氏自身をのぞいて、社内では久夛良木色も一掃された。現在は親会社の副社長でもある平井一夫氏が、
SCE社長も兼任する完全な平井体制であり、今回のSCEの出来事は、ひとつの時代が終わったことを告げているのかもしれない。
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