09/10/25 18:16:38 UzTnTugz
ゲーム機市場が“下克上”と“群雄割拠”の戦国時代を迎えている。世界最大市場の米国で9月、
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション3(PS3)」の販売台数が任天堂の
「Wii(ウィー)」を初めて上回った。携帯ゲーム機でも、新興勢力の米アップルの「iPhone(アイフォーン)」が、
全世界で1億台超の普及台数を誇る「ニンテンドーDS」を猛追し、快進撃をみせている。
■ゲームショウつぶし
「あんなニュースを出されたら、こっちが目立たなくなってしまう」
9月24日、幕張メッセ(千葉市)で開かれたゲーム見本市「東京ゲームショウ」の会場で、
ゲーム機メーカー幹部が苦々しげにつぶやいた。
同日未明、任天堂がかたくなに否定してきたWiiの値下げを海外通信社が配信。
「当社のカラーと違う」として同ゲームショウに出展していない任天堂が、午前10時のショウ開幕時間に
合わせるかのように、自社ホームページでWiiを5000円安い2万円にすると発表した。
同日午後、会場ではSCEが携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の3000円値下げを
発表したが、幕張メッセから500キロ離れた京都(任天堂の本社所在地)発のニュースで持ち切りとなった会場で、
大きな話題となることはなかった。
任天堂の唐突な値下げの理由は、「米国でのPS3の好調をみて、任天堂も動かざるを得なくなった
んじゃないか」という大手ソフトメーカー幹部の言葉に集約される。
■値下げで群雄割拠
SCEは9月1日、PS3を従来価格の1万円も安い2万9980円とする大幅値下げに踏み切った。
9月10日には、米マイクロソフトも「Xbox360」を2万9800円に値下げした。両社の猛攻で、
任天堂は完全に勢いを失っていた。
米調査会社NPDグループが10月19日発表した9月の米国ゲーム機販売で、その“傷跡”があらわになった。
PS3は前年同月の2倍以上の49万1800台に達し、2006年11月の発売以来初めて首位に浮上。Wiiを2位に沈めた。
さらに、SCEが1日に米国で先行販売した携帯型ゲームの新モデル「PSP go(ゴー)」も出足は快調だ。
インターネットでソフトダウンロードする仕組みを採用。米通信社ブルームバーグによると、発売後3日間のPSP
シリーズ販売台数が発売前の3日間と比べて4倍強に増加したと報じており、首位DSを脅かす。
Xbox360も、ソフトのラインアップ強化に成功。任天堂が落ち込むなか、着実な売り上げでシェアを伸ばしている。
ついに値下げを余儀なくされた任天堂。ゲーム市場に詳しいアナリストは、「ゲーム業界の勢力地図が一変する
可能性がある」と、群雄割拠の行方を注視する。
■アイフォーン快進撃
任天堂の牙城に挑むのは、ゲーム機メーカーだけではない。
「DSやPSPの発売時は素晴らしいゲーム機だと思われたが、“タッチ”が出たことでその魅力は弱まった」
9月上旬、米アップルのフィル・シラー上席副社長は、米サンフランシスコでの会見で“宣戦布告”した。
iPhoneだけでなく、携帯音楽プレーヤー「iPod touch(アイポッド・タッチ)」を活用。ゲームをほとんどやらなかった
「ライトユーザー」をターゲットに、無料を含めた安価なゲームを提供して快進撃している。
(>>2につづく)