09/10/11 16:07:07 ovumBgoo
宮本
もともと僕は、FPS(ファースト・パーソン・シューティング)のような
主観視点で3D地形を自由に歩けるゲームが好きなんです。
僕らは普段、足下を見ないで歩き回って、
きょろきょろとまわりを見渡しながら生活しています。だから、ゲームをするときも、3D地形のなかに入って、
そこに自分がいるかのように、自由に歩き回るようなことは、とても自然なことだと思っていて、
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(※4)をつくろうとしたときも、主観視点のゲームにしようと言っていたくらいなんです。
岩田
『時のオカリナ』が主観視点ですか!?
宮本
ビックリされるだろうと思っていました(笑)。ハイラル平原のような広い地形を眺めるには、
主観視点のシステムが最適だと思っていたんです。それに、主人公の姿を画面に映さないことで、
敵やまわりの環境にパワーを振り分けることができますし。
岩田
FPS系のゲームをとても苦手に感じる人たちがいますよね。
とくに日本では、そういった苦手意識を持つ人が多いと思いますが、それはどうしてだと思いますか?
宮本
その理由は、実はよくわからないんです。
岩田
ニンテンドウ64の時代に、『ゴールデンアイ 007』が出てきて、
日本でもFPSのジャンルが普及するような手応えがありました。
実際、アメリカではその後どんどん盛り上がっていきましたが、
その一方で、日本ではゲームを楽しまれる多くの人達にあまり普及が進まなかったように思います。
宮本
アメリカでは、PC向けにいろんなタイプのFPSが出ていて、それがどんどん家庭用ゲーム機に移植されていきました。
ところが日本では、FPSを楽しむ土壌ができていないところに、いきなり高度なゲームが出てくるようなことが起こってしまって。
おもしろいFPSを続けて出すことのできなかった僕らにも責任があるんですけど・・・。
岩田
シンプルなシューティングと高度なFPSとの間に、とてつもなく深い谷ができてしまったんですね。
その谷を渡れば、FPSのおもしろさに出会えるかもしれないのに
たくさんの人たちが、どうやって渡れば良いのか分からないイメージですね。
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