10/03/25 09:45:30 ewr6M/TA
>>420
これはいわゆる白木素材かな?
未塗装(未処理)の木材表面におけるオイルの挙動は、オイルフィニッシュを含む塗装表面へ施したオイルの挙動とは、
まるで違ってくると思います。
木材塗装(仕上)は、スムースフィニッシュ(塗膜仕上げ)とオープンポア(オープングレイン)フィニッシュとに大別されます。
塗膜仕上げは、いわゆる塗装によって表面に固い塗膜を作る方法。一方、導管(木目)を埋めないという意味あいの
オープンポア(オープングレイン)は、目止め材や塗料で導管(木目)を埋めずに浸透させる方法で、塗料浸透仕上げ
ともいいます。この場合の塗膜は柔らかくウェットな手触りがあり、オイルフィニッシュやワックスフィニッシュ、拭き漆などが
オープンポア(オープングレイン)に相当します。
これらの仕上げ方法は材と用途によって適宜使い分けられており、ギターでは、スプルースやメイプル、マホガニなどに
塗膜仕上げ、エボニーやローズウッドにはオイルフィニッシュが使われます。ボディ材や突き板となるローズウッドなら、
目止めを施してからの塗膜仕上げも可ですが、スプルースやメイプルなどの白木には、オイルフィニッシュは適しません。
オイルフィニッシュに用いるオイルもれっきとした塗料なので、メンテ用のオイルや塗膜仕上げ用の塗料と混乱しそうに
なるけども、その成分は溶剤60%、乾性油25%、樹脂15%ほどです。
ここで問題となっている指板などオイル仕上げ材のメンテナンスに用いるオイルの成分は、上記のオイル塗料に
準じたものや、より乾燥しやすい配合になっているものが多いようです。指板のように常に摩擦され手汗に晒される
状況では、健全な塗膜保持の意味あいでも油脂分の補給メンテが欠かせません。オイルフィニッシュにおける
保湿というのは、水分ではなくて油脂分を適度に保つということです。
>>424
材の強制乾燥のメリットのひとつは、平衡状態よりも少しだけ乾いた状態まで含水率が下がるということですが、
この特性が手汗の染み込んだ指板材の割れをもたらすことが多いです。特にエボニー指板の場合、弾かずに
放置していても乾燥による脱脂・収縮でよく割れます。