09/06/10 01:40:16 bd4PmWDL
>>8
前スレに全く同じ個所について書いたんで貼っときます。
解釈が合ってるかどうかは分からないけど・・・。
371 :名無シネマ@上映中:2009/06/08(月) 00:29:48 ID:OnFL832h
劉が守山に言った「誰かになれ」って言葉と
「賢い者は運命には逆らわない」「元いた場所に戻れ」って言葉の矛盾は、
そのまま彼自身が抱える矛盾なんだろうな。
「誰か」になりたくて血の滲む努力でここまで登りつめた彼の人生は、
貧乏な農村で一生終わるはずの「運命」に逆らった結果でもある。
搾取される人生に甘んじている守山にかつての自分を重ねた彼は、
本心から「誰かになるんだ!」とは言ったものの、
その結果として未だに自分は「誰にもなれていない」わけで、
「運命に逆らったら俺のようになってしまう」という思いもあったんだろう。
根は優しい人間なのに「冷徹な金の亡者」として生きていくしかない自分。
その矛盾が「お前は俺のようになるな」という気持ちになり、
「元いた場所に戻れ。それが賢い生き方だ」という言葉となって出たんだろう。
鷲津の「お前は何者なんだ?」という問いに絶句した彼の抱える闇は、
重く深い。
限られた時間でその辺をキッチリ描いた製作陣も素晴らしいし、
それを演じきった玉山も素晴らしいと思う。