09/07/12 22:19:00 sv1uEtW+
『ディア・ドクター×西川美和』より、鶴瓶インタビュー
実は最初に脚本を読んだとき、僕ね、あのラストの意味だけは
ようわからなかったんですよ。行動としてわからないし、何か
ヤヤコシイないかな、むしろないほうがエエんと違うかなと。
で、最初に西川さんに会ったとき、正直にそう言うたんです。
そうしたら監督が、なぜああいう終わり方にしたいのかついて、
手紙をくれたんですね。
あのラストをどう捉えるかは、もちろん観る人それぞれでいい。
ただ自分としては、すべてのしがらみから解放されて空っぽに
なった伊野を、もう1回ゼロの状態で、かづ子のそばに置いて
あげたいんだと。要は、贋医者として彼女を見続けることは
果たせなかった伊野先生が、白衣を脱いで、あらゆるものから
自由になった男として、約束を果たしに来るわけですよね。
ああ、なるほど、わかったと。西川さんがそういう終わり方に
したいんやったら、絶対それでうまいことやろうと思いましたよ。
だから撮影中はずっとその手紙を持ち歩いてね。そのシーンを
撮影するまで何べんも読み返しましたね。