09/07/29 00:40:03 rkpUEVVf
>>650
ハンナは積極的に生きることを諦めていたんだと思う。
釈放とミヒャエルに会えたのはハンナにはおまけじゃないかな。
ずっと心にとどめていた坊やにあえたことは喜んでいるけど
釈放には抗った。
原作ではミヒャエルが刑務所での面会時に
「僕が朗読したときに、過去のことは考えなかったのか」と問うと
ハンナは「誰も私のことは理解していないって気持ちがぬぐえない。
誰も理解できないなら、説明を求めることもできないでしょう?
裁判も私から説明を引き出すことはできなかった。
でも死者だけはできる。
私の希望なんておかまいなしに毎晩やってきた。
裁判の前は追い払うことができたけど」
(原書からの大雑把訳。すまん)
って答えているんだよ。
ミヒャエルが追いつめたように思えるけど
本当はハンナが拒んでいるシーンなんだよね
(=生きている人は私のことを理解していない)
もっと言うと、ここの台詞の
「死者は私を理解している」は現在形だけど
「死者は夜ごと刑務所に来ていた」は過去形になっている。
いまも刑務所にいるハンナなら当然
「死者は夜ごと刑務所に来ている」と現在形で言うべき部分なのに
ハンナの中ではすでに過去になっていて、未来がないことがわかる。
自殺したのは出所日の朝ってのは映画だけでもわかるかな?
長文失礼。