09/07/14 21:14:36 gnQxHR7h
>>639
そうですよねぇ。でも、
>しかし当のミヒャエルから現実を突きつけられて絶望する。
ここは違うと思う。ハンナのもとをくりかえし訪れていたのは
ミヒャエルのテープだけではなく死んだ小さな朗読者の女の子たちだった。
原作にはハンナの言葉がある。「刑務所で囚人たちのなかには
私に文句をいってくるものもあった(幽霊?)、最初のうちは
おっぱらっていたけれど、そのうちに追い払えないようなときも
あった」
小さな朗読者の女の子たちだってハンナが大好きだったのだろう
けれども「どうして?」「あなたも私を好きだったのでしょう?どうして
急に私を離してしまったの?」という疑問が心のなかにうずまいていただろう。
ミヒャエルはハンナに捨てられても何をやってもうまくいく人生が
待っていたが、女の子たちにはその正反対の死があった。
文盲でなくなるとともに心の鎧を解いていったハンナにその子供たちの
問いは深く胸をつかれたのではないだろうか?しかしどれくらいハンナが
相手の気持ちに心開いたかは原作ではぼかしてある。
明らかになっているのは、ミヒャエルに対してハンナは罪の意識を感じては
いなかったということ。
つまりミヒャエルに罪は感じていないし、罪をつきつけられたとも思っていない。