09/07/27 00:48:33 gB+Vfghf
ハネケ映画は物語が主ではないね。
観た人を当惑させる事に全てが注がれている気がする。
誰もが持つ人間性の負の部分を呼び覚まし、挑発し、
絶妙な嫌らしさでくすぐって来る。
独特の長回し、カット割りもまさにそれ。
キリキリと神経を逆なでしてくる(遊んでいる!)。
映画というよりは、映像を使った、心理実験を受けている感じがする。
胸糞が悪くなる事がしばしばだが、
確かに人間の内に存在する、その悪を浮き彫りにされ、
妙なショック(感動にも近いモノ)を与えられる。
色々な賞を得ている巨匠だが、
本質はあくまでも前衛的、アウトサイダー的なアートだと思う。
ちと刺激が強すぎるし、映画という手段を使った別の何かだと思う。
その冷徹なサディスティックさは人を憂鬱にさせるし、
ハネケはそれを見てニヤニヤしているはず。
「これが私達、人間なんだよ、、」