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地域のチラシとテレビ情報紙を1週間分まとめて無料で宅配するサービス「タウンマーケット」は、広告急減で苦戦する新聞各社の脅威となりそうだ。
インターネットによる情報取得や活字離れなどの影響から、新聞業界は購読者の減少と広告費の縮小に悩まされている。
財団法人新聞通信調査会が昨年実施した「メディアに関する全国世論調査」によると、
新聞でもっとも満足度が高い記事は「テレビ・ラジオ欄」という回答が7割を超えた。
テレビ・ラジオという他メディアへの窓口として利用される記事が満足度No.1というのは、新聞各社にはなんともやり切れない結果だろう。
そんな苦境に立たされる新聞業界を尻目に、新たなビジネスを仕掛けたのがリクルートの「タウンマーケット」だ。
これは、地域のスーパーなどのチラシとテレビ情報紙を1週間分まとめて、会員の自宅まで無料で宅配するという画期的なサービス。
2008年3月から東京都町田市・神奈川県相模原市でサービスを開始して以来、順調に会員数を増やし、
現在は横浜市・川崎市・世田谷区・中野区・杉並区・目黒区・品川区・大田区へとエリアを拡大させている。
チラシに加えて配布されるテレビ情報誌には、1週間分のテレビ番組表をはじめ、
タレントのインタビュー、テレビ視聴率やCDレンタルなどのエンタメランキングなど、記事の充実度はフリーペーパー「R25」を生んだリクルートならでは。
これらがすべて無料で読めるというのだから、今後の展開次第では新聞業界にとって脅威ともなりかねない。
気になるビジネスモデルは、新聞の折り込みチラシと同様に、広告主からのチラシ配布料が主な収益であり、
同社の「R25」「ホットペッパー」が広告掲載料によってまかなわれている点とは少々異なる。
その他、地域のチラシを検索・閲覧できるサイト「タウンマーケット」への広告掲載料や、
テレビ情報誌の表紙裏(表2)や裏表紙(表4)への広告掲載料も収益となるが、テレビ情報誌本体には今のところ広告は掲載されていない。
リクルートはあくまで「新聞を読まない人へのチラシの宅配サービス」と強調する。
しかし、新聞購読者の中に「テレビ欄と折り込みチラシがあるから、かろうじて購読している」という若い世帯や主婦層が多く存在するとしたら、
購読者が新聞から「タウンマーケット」に流れ込む可能性はある。
また、知名度が向上し、メディアとしての信頼性が増せば、
「新聞よりも会員制のタウンマーケットのほうがターゲットを特定しやすくて戦略も立てやすい。
おまけに費用対効果も高い」と考える広告主が出てきてもおかしくないだろう。
リクルートは次の一手として、iPhoneアプリ「チラシ検索 by タウンマーケット」を5月から開始した。
アプリを起動してエリアを選択すれば、その地域が対象のチラシが一覧で表示されるため、外出先でチラシをチェックしたい人や宅配エリア外に居住する人にとって活用度が高い。
テレビ番組表やチラシだけを扱うこれらサービスの普及次第では今後の新聞業界に影響を与える可能性もある。
ソース:MONEYzine
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