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日産自動車のデザインとブランドマネージメントを担当する中村史郎CCO(チーフ
クリエイティブオフィサー)が2010年6月18日、あるアメリカのデザイン賞を
授けられた。それはその生涯を自動車デザインに捧げた人間だけに贈られる、
素晴らしい賞である。
■Lifetime Design Achievement賞
今、世界でもっとも名が通っている日本人自動車デザイナーは、間違いなく
「シロー・ナカムラ」だろう。もちろん個人で活躍している有名なデザイナーも
何人かいるが、日産自動車常務執行役員、チーフクリエイティブオフィサーの
タイトルの下、この巨大な企業のデザインを10年以上にわたって率いてきている
という点で、やはり中村史郎氏の仕事は高く評価されていい。
トヨタ・デザインのトップは誰か、ホンダのチーフデザイナーの名は?
と聞かれても、海外はおろか日本でも大半の人は知らない。でも日産は?
と問われるなら、多くの人はシロー・ナカムラと答えるだろう。
それゆえ同氏はこれまで、さまざまな賞を内外から授与されているが、最近、
本人としては「これほどうれしいものはない」という賞を授けられた。
Detroit Institute of Ophthalmology(デトロイト眼・視覚学学会)は、彼らが
主催するEyes on Design(デザインの視覚的価値)なる一連の自動車デザインの
コンテストの中で、長い間自動車デザインに貢献した人間に与えられるLifetime
Design Achievement賞の2010年受賞者に、中村史郎を選んだのである。
■きら星のような大物がシローを選んだ
ライフタイムというその賞の名前が示しているように、これは特別なクルマとか
作品を手がけたデザイナーを対象としたものではなく、デザイナーとして長年
活躍してきた人、過去から現在につながる業績を評価して与えられる賞である。
場合によっては故人であっても対象にされる。
1988年から始まったこの賞の過去の受賞者名簿には、自動車デザイン史における
きら星のような名前が並んでいる。
デトロイトで行われるイベントゆえに、アメリカのメーカーやアメリカで
成功している企業のデザイナーが多いが、主な過去の受賞者を紹介するとこうなる。
まずGMデザインでは、初代のハーリー・アールに始まり、ビル・ミッチェル、
チャック・ジョーダンなどの大物が受けている。フォードはジャック・テルナック
とボブ・ラッツというこれまた有名人。クライスラーではかつてテールフィンを
はやらせたヴァージル・エクスナーと、後のクライスラー・デザイン再興の祖と
いわれたトム・ゲイル、今はなきAMCで活躍したディック・ティーグなどの名前が
見える。
一方ヨーロッパのデザイナーでは、古いところではジャガーのウィリアム
・ライオンズに始まり、ポルシェ一族、セルジオ・ピニンファリーナやヌッチオ
・ベルトーネ、ジョルジェット・ジウジアーロ、マルチェロ・ガンディーニ、
そして長年メルセデス・デザインを率いて来たブルーノ・サッコらが受けている。
※続く
●2009年ジュネーブショーに出展された「インフィニティ・エッセンス」と
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