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来年3月、全線開通する九州新幹線・鹿児島ルート。大阪と鹿児島が約4時間で結ばれ、
関西と九州を結ぶ新たな交通機関として期待される。JR九州やJR西日本は、運行
ダイヤや料金体系などについて協議しているが、双方の思惑の違いや運行上の課題も
持ち上がっている。
■早さvs利便性…「WindowsとMacよりも異なる」
「われわれは『対航空機』をイメージしているが、JR九州には、なかなか分かって
もらえない」。JR西の関係者はこう打ち明ける。
航空機の場合、大阪(伊丹)-鹿児島間の所要時間は1時間10分。一方、新大阪
-鹿児島中央駅の直通運転の新型新幹線「さくら」は最短で4時間程度とされる。
JR西は、これまで「のぞみ」や「ひかりレールスター」といったスピード重視の車両を
導入した経緯から、航空機に対抗できるようなダイヤ編成を想定。極力停車駅を減らしたい
意向だが、九州新幹線は、国や自治体が事業費を負担した「整備新幹線」と位置づけられて
いるため、九州内でのダイヤを決めるJR九州は、駅を抱える自治体から停車を求める
要望が相次いでおり、スピードか地元の利便性か、選択を迫られる可能性もある。
■あせる旅行各社
JR西によると、博多駅での山陽新幹線の乗客数は一日あたり約1万5800人で、
ここ数年は景気の低迷もあり減少傾向で、JR西の担当者は「今までとは違う乗客層を
取り込むチャンス」と九州新幹線に期待する。
現在、新大阪-鹿児島中央の運賃は、新幹線と特急利用の場合で片道約2万円。航空機は
伊丹(大阪)-鹿児島空港間が3万円前後で、これらを参考に新幹線料金の策定作業が
進められているが、新料金が決まらないことにやきもきする関係者もいる。
別のJR関係者は「ダイヤや料金が決まらないと、ツアーの募集どころか広告も打てない
という旅行代理店の意見を聞く」と話す。
■連携の経験ゼロ
今月8日、大阪市内で開かれたJR東海の記者会見で、山田佳臣社長はJR西と九州の
3社で災害時の対応などについて説明した際、「(JR九州は)今まで池の中でやって
きており、他との連携の経験がない」と指摘した。
JR東海と西は昭和62年の設立時から東海道・山陽新幹線を運行してきた実績があるが、
九州新幹線は平成16年に新八代-鹿児島中央間で部分開業したものの、非常時は独自
対応で完結していた。山田社長は「(開業後は)リレーのように車両を管理することになる。
さまざまな仕組みやルールを取り決めておくことは非常に重要」と、各社間の連携強化を
となえた。
また、新幹線はコンピューターで運行管理されているが、東海道・山陽新幹線と九州
新幹線ではシステムが大きく異なり、「例えればWindowsとMacよりも違う」
(関係者)状態で、互換性を持たせるシステムを開発中だといい、九州新幹線開業までの
課題は多い。
●三洋・九州新幹線ルート図
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
●平成23年春の運転開始に向けて試験走行が行われる山陽・九州新幹線直通用車両。
車体は薄いブルー
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◎ソース URLリンク(www.sankeibiz.jp)