10/06/15 23:41:26
>>1のつづき
もう一つ、日本が世界に誇るべきなのが、サービスである。
今回、北京から上海へ行く際に乗った上海航空の出発時間は、夜7時前だった。だが実際に
飛行機が北京首都国際空港を離陸したのは、夜の11時半過ぎ! 100人以上の乗客たちは、
延々5時間も空港の出発ゲートで待たされた。
しかもその間、上海航空のスタッフたちは、いつ出発するとも表示せず、知らぬ顔を決め
込んでいたのだ。私も2回、搭乗が遅れている理由を聞いたが、「知らない」の一言だった。
夜11時過ぎになって、まもなく搭乗というアナウンスが入った時、中国人の乗客たちが
ついにキレて、係員たちを取り囲んだ。いまから出発して上海の虹橋空港に着いたら、深夜
の2時だ。すでに空港バスも地下鉄も終わっている。となると、高い深夜のタクシー代を払っ
て市内へ入るしかない。
このタクシー代を保証するか、もしくは特別バスを、上海の中心地・人民公園まで出せと
、係員に迫ったのだ。
だが係員の応対も、傑作だった。「アンタたちが公共交通機関に乗れないことと私とは、
何の関係もない」。計3人のスタッフは、繰り返しこう言い放つばかりで、お詫びの言葉一つ
なかった。
先日一時帰国した際、成田空港で日本航空の北京便が遅れたことがあった。日本航空の
スタッフたちは、平身低頭、乗客に説明してお詫びし、かつ食事と飲み物のクーポン券を
配っていた。やはり「腐ってもJAL」なのである。
さて、北京から深夜の2時過ぎに上海の虹橋空港に着いて、予約してあった4つ星ホテルの
世和酒店に、タクシーを飛ばして行った。万博会場まで徒歩10分の高級ホテルだ。だがフロ
ントへ辿り着いた疲労困憊の私に、ホテルマンは冷たく言い放ったのだった。「部屋は満室
なので他へ行ってくれ」。
私は旅行代理店を通じて予約し、すでに宿泊料金も払い、さらに北京の空港から2度も電話
し、遅れて深夜に到着する旨、伝えておいた。それがこの様である。深夜の3時に、一体どこ
へ行けというのか。
いくらホテルマンに文句を言っても暖簾に腕押しで、「アンタが遅く着いたのが悪いだろ
う」と、逆に開き直られる始末だ。結局、川向こうの浦東の果てのホテルに投宿できた時に
は、深夜の4時を回っていた。
これが、「文明万博」を謳う中国の実態である。私は別に、人の国の悪口を言いたいの
ではない。普段日本人が当たり前のように受けているサービスは、実はこの上なく貴重で
誇るべきものだということが言いたいのだ。それは、砂漠の国へ行って日本の水道水のあり
がたみを知るのと似ているかもしれない。