10/06/10 21:54:52
なぜ、日本だけデフレが続くのか。リーマンショック後、主要国の消費者物価はマイナス
に転じたが、昨年末に日本を除くほとんどの国でプラスに戻っている。また、1990年代以降
では日本の消費者物価はおおむね先進国平均より2~3ポイント低い水準で推移している。
これは日本の経済政策のミスによるものなのか。
「人口要因の影響が大きい」と第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏は指摘
する。日本の人口は消費者物価の低下傾向とリンクするように90年代以降、増加率縮小・減
少が進んだが、日本を除く先進国ではその間おおむね前年比0.5~1%の伸びで人口増加を続
けている。実質GDP、失業率、需給ギャップとの相関で比較しても、人口要因と物価との連動
関係が最も強く出たという。「人口減少は需要不足を通じて物価下落に結び付く作用がある。
さらに、期待成長率の低下を通じて設備投資を慎重化させ成長率を抑制する」と熊野氏は
説明する。
政府は昨年11月の「デフレ宣言」以降、デフレ退治への姿勢を鮮明にしているが、その
解決への責任を負っているのはもっぱら日銀の金融政策である。日銀は12月に国債などを
担保に0.1%の固定金利で3カ月の資金を貸し出す新型オペを導入、3月にはこの限度額を20兆
円に増額する追加緩和策を取った。
しかし、「金融政策の効果は限られている。デフレ脱却には需給ギャップ解消とともに、
人口政策の抜本的強化が不可欠」と、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也
氏は主張する。
2009年10月現在、日本の総人口は1億2751万人で前年比0.14%減と2年連続の減少、女性
人口が初めて自然減になるなど本格的な人口減少時代に突入した。
高齢化を踏まえると事態はさらに深刻だ。生産年齢人口(15~64歳)ではすでに95年に
ピークをつけたが、今後50年間年平均1.2%程度のペースで減少を続け、2055年には4595万人
と現在のほぼ半分になる(国立社会保障・人口問題研究所、06年中位推計)。これから日本
は世界が経験したことがないスピードで人口減少・高齢化が進むのだ。
■観光客誘致の腹算用
人口政策とは何か。上野氏は「少子化対策、海外からの観光客誘致、そして移民政策」を
挙げる。
少子化に対してはすでにさまざまな対策が取られつつある。子ども手当は民主党の政権
公約の目玉で、少子化対策へ積極的な姿勢を示したものだ。しかし、上野氏は「子ども手当
は現在子育て中の世帯の支援にはなるが、これから産もうとする人にどれだけ後押しとなる
のか。企業内に保育所を設置するなど、働きながら産み育てる環境整備におカネを使うべき」
と指摘する。
ソース
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)
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