10/06/06 23:00:43
なかなか止まらない少子化。慶大の駒村康平教授は「団塊ジュニア世代をこのまま40歳
になるまで見送れば、日本社会は再生不能になる」と警鐘を鳴らす。
--少子化問題についての考え方は
「そもそも『少子化は問題か』という人がいる。例えば『少子化が進んでも社会保障を
変えればいい』といわれるのだが、現実問題としてそれはあり得ない。つまり、世代間の
仕送り方式(賦課方式)で医療も介護も年金もやっているわけだから、それをすべて民営化
といった形にすることは机上の空論に近い」
--机上の空論?
「仮に社会保障の財源を若い現役時代から積み立てる積立方式に移行したとしても、人口
が減少して労働力が減り、貯蓄率が下がる縮小均衡の中、積立金の金利はほとんど付かない
だろう。だから、人口が減少し、成長率が低下すれば、民営化しても乗り越えることはでき
ない」
--少子化問題は「手遅れ」という人もいる
「1970年代後半からこれだけ長い間ずっと出生率が2・0を切っているわけだから、
人口減少は続くことになる。ただし、年金みたいな制度は100年後まで見通して考えてい
るので、今、子供が生まれれば20年後には労働者になるわけだし、合計特殊出生率が1・3
の場合と1・6の場合ではかなり組める制度に差が出てくる。100年というスパンで考え
ている年金のような制度では手遅れでも何でもない。あきらめるには早すぎる」
--現在の出生率をどうみるか
「これも決して日本人が望んだ姿ではなくて、やはり本当はもっともっと子供を持ちたい
人は多い。女性の社会進出との関係をみれば、70年代から80年代前半くらいまでは女性
の社会進出と大学進学率は出生率の低下要因になっていたが、多くの先進国では80年代か
ら90年代を境に、仕事と進学と子育ての両立が事実としてできている」
--日本の場合は
「日本では介護保険制度の導入が検討されていたころ、少子化の問題も議論された。あの
ときにチャンスが1回あって、介護保険を先にやるのか、子供支援政策を先にやるのか、
大きな問題があった。私は両方やるべきであったと思うが、バブル崩壊後の日本経済で二兎
を追うことが大変難しかった。団塊の世代というボリュームの多い世代にとって介護の方が
子供よりも優先された。保育の関係団体にはシステム変更で供給が増大することへの抵抗感
もあって、少子化対策が大きく遅れた。そういう意味では大変大きな失われた20年だった」
ソース
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)